「シリコンバレー精神」を読んでみた。梅田さんの1996年~2001年ごろまでのエッセーを集めたもので、当時のシリコンバレーの様子が手に取るようによく分かる。
この本を読んでいて、アメリカにおけるベンチャービジネスの感覚が、自分の中で痛々しく響いてきた。彼らは毎日が競争なのだ。
確かに、Web 2.0のサービスにせよ、同じようなサービスがポコポコと生まれてくる。日本では、そこまで過酷な競争が行なわれる訳ではない。これは、日本の市場が守られており、平和である事の裏返しだと思う。
しかし逆に、アメリカには失敗を本気で許容できる風土があることも理解した。日本では、正直ながら、そういう風土があるように感じられない。彼らからしたら、「失敗して当たり前、うまく行けばスゴイ」という感覚らしい。
もし僕がアシアルを失敗したら、僕は困らないかもしれないが、従業員は大いに困るだろう(失敗の定義によるが、倒産という意味では)。自分の身は自分で守るという、アメリカでは当たり前の基本的判断力が、日本においては必要とされてこなかったからだと考えている。しかし、少なくともアシアルにおいては、いざという時に求められている気がしないでもない。
では、日本人の「得意とする」協調性などについてはどうだろうか?シリコンバレーでも、協調性・団結力については引けを取らないと思っている。そうでないと、iPodやFlickrなどが生まれる訳がない。会社を成長させたい、という気持ちで一致団結しているという。
日本の場合は似たり寄ったりが集まり阿吽の呼吸をする協調性なのに対し、アメリカは考え方の違う人々が壮絶なバトルの末に最適案を作っていくチームワークだと思う。
彼らは狩猟民族、僕達は農耕民族、なんだろうか。どちらが良い悪いは無いと思うが、コンピューティングの世界では、農耕民族は食われるのではないかと思えて仕方が無い。
そう思いながら説明した今日の社員ミーティング。相変わらず長い会議で申し訳なかったです。
皆失敗を恐れず、「自分の意見」をぶつけ合って行きましょう!